Drive★Music

 2022年10年11 日

稲垣雅紀さん(キーボーディスト)インタビュー!「このカーオーディオはすごく大人の音。」

本日の1曲目は?

「この困難を乗り越えよう」というコンセプトでピアニストの仲野真世さんが作られたんですよ。
ひょんなことから知り合って、ご自身のプロジェクトアルバム「希望」にピアノデュオを入れようとなって、コーラスグループだったり、朗読だったり、1曲を色々な形でバリエーションを付けて作った中の一曲をピアノデュオで演奏しました。
中域がいいですね~!カーオーディオっていうとドンシャリなイメージだったんですけど、中域にこだわったのかな?っていう印象の音ですね。
ふたつピアノがあるので左右の定位感もあるな~。
あったかい音。ドンシャリはあまり好みじゃないのですごくいい!
耳にも痛い感じはないですよね。

ピアノデュオは珍しいですよね?

このアルバムのエンジニアは大越学さんという方がされていて、世田谷のサウンドシティで録音したものなんです。
僕はスタンウェイ。彼女はベーゼンドルファーというピアノを弾いています。
カーオーディオってドアで中低域が響いて変な音になってしまったりするんですけど、それが無いのが凄いですね。
全部の音がちゃんと聴こえる。大人の音がする。
凄くこだわって作られたんでしょうね~!
昔カーオーディオっていうと光るグラフィックみたいなのがついていて、highとlowを調節してたんですけど、これは必要ない全部聴こえる作りになっていますね。
中低域が暖かい印象なんですけど、ちゃんとリバーブの成分も含まれている感じ。

色々な作品に参加されていらっしゃるんですね!

そうですね。ジャンルの違うものに参加することも多いんですよ。
次に聴くのはインディアンフルートをやっていらっしゃる真砂秀朗さんのアルバムにも参加させていただいたものです。
これは自宅のピアノをエンジニアに渡してミックスしてもらったんですけど、自宅で撮ったままの音が聴こえます。
インディアンフルートの音って凄く強い音なのでレコーディング自体も難しいんですけど、う~ん…高音域でも耳が痛くならないなぁ…
楽曲自体全部生楽器なので、各々バランスを取ったりコンディションを整えたりする「生き物」のようだと思って作っているんです。
それが屈託なく聴こえてますね。

確かにインストだと演奏がリアルな生き物になりますよね!

トリニダード・トバゴから来たミュージシャンのアルバムにアレンジで参加しました。
この楽曲のプロデューサーが面白い方でYouTubeで気になったミュージシャンを「君面白いから来て!」呼んでレコーディングをしたんです。
これは躍動感のある生きた音楽だなと思いました。
スチールパンって不思議な楽器ですよね?ドラム缶ですから。
楽曲の中でファンドラムが左右に分かれているんだけど、左右のバランスが整っていますね!
主旋律はきちんとセンターにある。
人によってはドライブポジションって多少違うと思うんですけど、体の位置を変えても遜色なく聴こえますね~!
へ~面白い!!!イキイキしてる!

インスト以外の作品はどのように聴こえますか?

藤原くんはロックボーカリストなのですが、この時代にあえて80年代ポップなアルバムを作るというので参加しました。
ちなみにこの曲はドライブミュージックでもレビューしてた是永巧一さんがギター弾いてます(笑)
これは低音が閉まっていて聴きやすい。
藤原くんの声が真ん中から聴こえる!
普通、右のドア下とか左下とかからも歌が偏った感じで出ていますよね?
自宅で聴くより聴きやすいかも(笑)
ドライブしながら、景色を見ながら聴くのが音楽。
家で聴くときは顕微鏡で見るような感じなんですよ。
それと、これだけの音量で聴いているのに隣の人と会話できるのが凄いですよね!
あれ???音量下げてもちゃんと聴こえる!?
耳の位置を変えてもきちんと聴こえてる!!!
定位感がしっかりしてますね。

ありがとうございます!定位感はドアの中も手を加えているんです。

バランスも定位感も「作ったそのまま聴いてください」って印象。
還暦を過ぎて土いじりが好きになるみたいで、草木もその日のコンディションがあるようにピアノも1日ずつ自分のコンディションによって変わるんです。
「今日は晴れだからこんな気分とか曇りだからこんな気分」ってあるじゃないですか。
音って気持ちが直結するし、「この音で聴きなさい」って押し付けられるのは好ましくないので、
その時の気持ちが素直にデフォルメされない形でカーオーディオから聴こえてくる感じが素晴らしいと思います。
作る側としては押し付けられると逆らいたくなっちゃう(笑)
そういう意味でこのカーオーディオはすごく大人の音。
作った時のコンディションがそのまま伝わるよね。
でも、低音ってバランスがベストなところを探るのが難しいんじゃないですか?

おっしゃる通りです。車内空間だと低音が飽和するので難しいです!!!

スタジオでミックスをしていても低音は難しいんですよ。
エンジニアがミックスしているシートでベストポジションで聴くベースと、ちょっと離れた場所で聴くベースは違ったりするんです。
そういう意味ではちょっとずれても低音の感じが変わらないのはいいですね~!
ミックスの後のチェックは家のモニターがKRKなので、そこでチェックして、Bluetoothの小さいスピーカーで聴いて、SONYのラジカセも数年前は使ってたんだけど、
今は使わなくなっちゃった(笑)
やっぱり最後にミックスのチェックをするのは車かな?
油断した状態で聴くようにしています。
チェック作業だと顕微鏡で見るような聴き方になるんだけど、聴く方はそんな聴き方しないでしょう?
景色を眺めたり、リラックスした状態で聴く事の方が多いと思うから。
リラックスしている時に作り手の心も届くし、それが一番大事だと思っています。
このカーオーディオで次回作のチェックしてみたい!
正直カーオーディオで「いい音だな」と思ったことがありませんでしたから(笑)
こんなもんだろうな…ここにいるんだろうな…って思ってカーオーディオは妥協してたかもしれません。
今回のデモカーは全部がクリアにちゃんとバランス良く全部聴こえてるのが良いですよね~!

ありがとうございました!今後のご予定を教えていただいても良いですか?

先ほども話したんですけど、今ピアノを学びなおしながら自分の作品も作っている最中なので、SNSで皆さんにお伝え出来たらと思っています。
今はちょうどとっ散らかっちゃってるよ(笑)
作家が書いては丸めてポイ!丸めてポイ!そんな状態。
30年ばかりエレクトリックの脳で手を動かしてきたので、新たに芸大卒ピアニストの方の指導で学びなおしています。長年の悪い癖って出てくるんですよ!指の形とか。
制作活動も一から畑を耕しているので、芽が出るのはもう少し先かな?
その時は是非このカーオーディオの音で聴きたいですね。
チェックしたらやり直したくなる箇所が出てきそう!

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~この記事の著者~

Cyber Brain

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